対人恐怖症(視線恐怖症など)のせいで大学や専門学校への進学を悩んでいる高校生・受験生は、無理に進学しなくても良いでしょう。
症状を抱えながら働ける仕事について勉強したほうが将来の道は開けるはずです。

無理して進学すると対人恐怖症が悪化する

大学・専門学校で勉強したい学問(分野)がないなら、無理やり進学しても対人恐怖症や視線恐怖症を悪化させるだけです。
受験生活のさなか、または遅くとも進学後には症状が悪くなってしまうでしょう。
わたし自身の大学受験・学生生活の経験をふりかえると、強くそう感じます(くわしくは自己紹介記事(自分史)をご参照ください)。

目的のない勉強というのはストレスがたまるものです。
にもかかわらず志望校合格のため無理に受験勉強を続ければ、さらに大きなストレスをためることになります。
過大なストレスは自律神経の不調をもたらし、対人恐怖症を悪化させかねません。
わたしも脇見恐怖症自己視線恐怖症他者視線恐怖症というように、さまざまな症状を発症していきました。

また、進学できたところで対人恐怖症が改善するというわけでもないのです。
受験生活で蓄積したストレスは体内に残り続けていて、それが症状悪化の引き金になったりします。
わたしは大学進学後に咳・咳払い恐怖症監視恐怖症といった症状にも苦しめられました。

大学生活においても、目的を持たずダラダラ過ごすのは良くありません。
暇だと対人恐怖症の悩みばかりをどうしても考えがちになりますので。
この点でも、やはり無理に進学しても症状を悪化させるだけといえますね。

対人恐怖症でも働ける仕事の勉強をする

「できない」を「できる」にする

対人恐怖症・視線恐怖症の症状を抱えながらも働くことができる仕事・職業というのは結構あります。
たとえばネット上ならプログラミングやウェブデザイン、外で働くなら運転手や士業などです。
どうせ勉強するなら、そうした仕事や職業に直結するような分野の勉強をしたほうが有益でしょう。

悲観的かもしれませんが、対人恐怖症がずっと治らない場合を想定しておくことは大切です。
たとえ大学や専門学校で自分の興味のある分野を学んでスキルや資格を得られたとしても、対人恐怖症が治っていなければ卒業後の就職先でつまずいてしまうリスクがあります。
そのような事態を見越して、早い段階から対人恐怖症でもやっていける仕事の勉強をしておいたほうが堅実ではないでしょうか。

わたしは大卒文系で、学生時代に何のスキルも得ませんでしたので、とくにそう感じます。
自分の症状をよくみつめて、それでも働いていけるような仕事について勉強しておけば今ほど苦労はしなかったかもしれません。
なぜ公務員試験の勉強なんかしてしまったんだろう…公務員は対人能力が求められる仕事なのに…という後悔が大きいです(すぐにクビになりましたし)。

親からのプレッシャーや友だちみんなが大学に行くという空気も感じると、進学しないで別の分野の勉強をする気になりにくいかとは思います。
しかし長年にわたり対人恐怖症に悩んでいるわたしの意見としては、無理に進学してもやはり症状を悪化させてしまうだけなのです。
ひとまず対人恐怖症とよく向き合い、それに合った働き方・生き方を考え、自分で将来を決めてみてください。

おすすめの勉強分野

参考までに、対人恐怖症や視線恐怖症でも働けそうな仕事(職業)に直結する分野を3つ挙げておきます。
これらを勉強しておけば、症状を抱えていても仕事探しに困らないでしょう。

プログラミング / ウェブデザイン

プログラミングやウェブデザインのスキルを身につければ、プログラマーまたはウェブデザイナーとして収入を得ることが可能です。
フリーランスのプログラマーやウェブデザイナーなら自宅で働けますので、対人恐怖症者にも向いた仕事といえます。
インターネットが普及した現代でこうした仕事は引く手あまたですので、安定して稼げるでしょう。

プログラミングもウェブデザインも、家でネットや参考書をみながら独学で勉強できます。
自力での学習に不安や限界を感じるなら、オンラインスクールに参加したほうが効率的です。
講師とのビデオ通話などがあるため緊張するかもしれませんが、学校での授業にくらべればリラックスして学習できるでしょう。

以下に各スクールの特長をまとめてみました。
どのスクールでも無料体験が用意されていますので、試しに利用してみてください。

サービス名特長
CodeCamp
(コードキャンプ)
  • 受講者数が多い
  • 講師数が多い
  • 東証一部上場企業が運営するスクール
TECH ACADEMY
(テックアカデミー)
  • 初学者向けのトレーニングコースあり
  • コースの種類が豊富
TECH::CAMP
(テックキャンプ)
  • 受講者の満足度が高い
  • 最先端のIT技術も学べる

ライティング

ライティングについてもスキルを磨けば、フリーライターとして収入を得られるでしょう。
ライターにもいろいろな種類がありますが、対人恐怖症者にはウェブライターがおすすめです。
サイトの記事作成がおもな仕事となっていて、雑誌ライターやインタビューライターのように外で取材する必要がほとんどありません。

ライティングも書籍などを読みながら独学で学べます。
ライティングの場合はインプットよりアウトプットが大切ですので、クラウドソーシングサイトで実際に仕事をしながらスキルアップしていきましょう。
ユーザー数が多く案件も豊富な「クラウドワークス」や「ランサーズ」といったサイトに登録してみてください。

独学以外の勉強方法としては、 WEBライティング技能検定講座の受講がおすすめです。
クラウドソーシングサイトでのウェブライティングに特化して学習できます。
検定に合格すれば優先的に仕事をもらえるなどの特典もありますよ。

資格取得

厳密には勉強「分野」ではありませんが、資格取得の勉強をするのも有益でしょう。
たとえばパソコン系資格を取得すると、前述のクラウドソーシングサイト(クラウドワークスなど)でより多くの仕事にありつけるはずです。
また運転免許を取得しておけば、トラック運転手や宅配ドライバーなどの一人仕事に就職できるチャンスも増えます。
多少の対人スキルは必要ですが、個人事務所を構えられる士業を目指すのもアリかもしれません。

そうした資格・免許については下記の記事でまとめていますので、参考にしてみてください。
対人恐怖症者の就職に役立ちそうな資格5種類

対人恐怖症(視線恐怖症)で悩みながら無理に大学・専門学校に進学しても症状を悪化させてしまいます。
それなら受験勉強の時間を、プログラミング・ウェブデザインライティングの勉強、資格取得などに充てたほうが有益です。

年をとるほど知識の吸収力は下がっていきますので、まだ若い年齢のうちに新たな勉強をスタートしましょう!