ソウル旅行はついに3日目、最終日です。
コムタンの名店で朝食をとってから南大門(ナンデムン)市場を散策し、あとは日本に帰国するだけ。
…のはずなんですが、対人恐怖症の限界がきて彼女と険悪なムードになってしまいました(汗)。

河東館でコムタンを実食

ソウル旅行の最終日は自由時間が午前中のみだったので、滞在先ホテルのある明洞(ミョンドン)周辺を散策。
まずは朝食のコムタン(牛肉の煮込みスープのような料理)を食べに、『河東館』(ハドングァン)という店に入りました。
コムタン一筋50年以上の名店なんだとか。

歴史のある料理店というだけあって、いままでの店とは違い外観が韓屋(韓国の伝統的な建築物)のようになっています。
韓国の多くの歴代大統領が訪れていた店でもあるそうです。
しかし意外と店内は普通の食堂と変わらず、誰でも気軽に食事ができる雰囲気でしたよ。

さてコムタンを注文し、さっそく実食。
う~ん…驚くほどあっさりしています。
味がないんじゃないの?というくらいの薄味です。
みそ汁やラーメンなど普段の食生活で塩分をとりがちな日本人には合わないかもしれません。

やさしい味つけなので朝食に良いとは思いましたけどね。
白いスープに牛肉のスライス、ご飯や刻みネギが入っていて日本のおかゆに近い見た目・味でもあります。
テーブルにキムチが置いてあるので、それを食べつつ味を調整するのがおすすめです(かく言うわたしはキムチが苦手なので困りましたが苦笑)。

南大門市場を散策…のはずが

南大門路(南大門通り)沿いにある噴水

河東館での朝食を終え、南大門市場へ徒歩で向かいました。
明洞の中央路(チュンアンロ)から南大門路(ナンデムンロ)という大通りに出て、左方向へ進んでいきます。

道の途中には韓国銀行の本店と貨幣金融博物館が建っていました。
反対側には噴水と銅像があったんですが、何の観光スポットなのかはわかりません(汗)。

この日は平日でしかも時間は朝方だったので、通りは通勤客でいっぱいでした。
積み重なった旅行の疲れもあいまって、対人恐怖症のストレスがどんどん溜まっていきます…。
歩いているうちに無口になっていくわたしの様子をみて彼女もどんどん無口に…。

南大門市場のクリスマス雑貨店

そんなムードのなか、南大門市場に到着。
韓国銀行本店を通り過ぎたあたりから、道の左側に小規模の商店街がみえてきました。

その路地には、肉屋、魚屋、八百屋といった食料品店から衣料品店・時計店・宝石店・化粧品店などが無数に集まっています(クリスマスシーズンだからか、クリスマス雑貨もよく見かけました)。
どことなく東京のアメ横や築地場外市場に似た雰囲気です。

いっぽうわたしはというと、南大門市場の大勢の人だかりでメンタルパワーが底をついてしまいました。
ウィンドウショッピングを楽しむ彼女の呼びかけにも満足に応えられません。

そんな態度をみて彼女の怒りが爆発。
「つまんない」「勝手にすれば」とわたしを置いて早歩きで南大門市場を立ち去ってしまったのです。

その様子をみてわたしも怒り心頭に。
「対人恐怖症にも関わらずソウル旅行にまで一緒に行ってあげてるのに」と頭にきました。
とはいえ彼女とはぐれたら心もとないので必死に追いかけます(苦笑)。

朝の南大門(崇礼門)

なんとか彼女に追いつき、後をついて明洞へ。
横に並んでしゃべる雰囲気ではなかったので、ドラクエのように縦に並んで歩いていきます(笑)。

道中、左手に南大門(正式名称は崇礼門(スンネムン))がありましたが、悲壮感がただよっているようにみえました。
もちろんわたしたちが険悪なムードだったからですね…。

仁川空港で暇つぶし

そんな状態のなか、ホテルに戻り『HIS』の送迎バスに乗車。
日本帰国の飛行機に乗るため仁川空港へ出発します。

バスの車内でもわたしたちはしばらく無口でいましたが、途中で立ち寄ったおみやげ屋でようやく話をするようになりました。
その店が韓国の民芸品ばかりであまりにもつまらなく、ふたりとも暇を持て余していたからです(苦笑)。
初日の免税店といい、旅行会社のツアーで強制的に寄らされるお店ってどうも退屈な印象があります。

ふたりの仲が元に戻ったところで、仁川空港に到着。
初日では気がつかなかったんですが、建物内部はとても現代的な作りでカッコイイです。
韓国ドラマによく登場するのもわかります。

空港には予定より早めに着いたので暇をつぶすことになり、ひとまずレストランで昼食です。
どこで食べたか忘れましたが、わたしは牛すき焼きセットを注文。
味は普通だと思いますが、いままで韓国料理ばかりだったせいか感動を覚えました(「日本の味や~」笑)。

食事のあとまだ時間があったので、次は免税店・おみやげ店などをぶらぶら。
彼女はおみやげ用のお菓子をまとめ買いしていましたが、とくに用のないわたしは本当に暇で仕方がない…。

ちょっとおもしろかったのは、韓国の民族衣装を着た人たちのパレードが通路で行われていたことです。
2日目の市庁・光化門観光のときにみたような仮装行列を見学できました。

成田空港に到着、初めての帰国

仁川空港で暇をつぶすこと4時間ちかく、ようやく出発の時間です。
帰国手続きの手順は成田空港のときと同じだったので、初めての海外旅行とはいえ慣れてきました。
帰りの飛行機も『チェジュ航空』でしたが、今度は窓際の席をゲット!

彼女いわく、わたしはフライトまでの20分ほど機内で居眠りをしていたそうです。
対人恐怖症になってから公共の乗り物で寝られることなんて滅多にありません(他人への警戒心が強いので)。
やっと帰国できると安心したのか、よほど疲れていたのか…。

ソウル市とインチョン市を空撮

離陸して少しのあいだは上空からインチョン市やソウル市を眺められます。
窓の下の街はほとんど雪の白色でおおわれ、まさに雪国といった風景です。
すごく寒いところを旅していたんだなと、あらためて体がふるえました(笑)。

そして午後7時ころ、ついに成田空港へ帰還。
日本に帰ってきたという安心感に包まれます。
対人恐怖症を抱えながらよくやった自分…!

成田空港での手続きはパスポートのチェックのみです。
初めての帰国で不安でしたが、予想外に簡単で拍子抜け。
あっさり空港を出られてなんだか名ごり惜しくもありました(あれだけ大変な旅だったのに)。

こうしてソウル旅行、初めての海外旅行は幕を閉じました。
最終日にして対人恐怖症の疲れがどっと出てしまい、南大門市場で彼女とケンカしてしまったのが悔やまれます(ちなみにこの出来事をわたしたちは「南大門の悲劇」と呼んでいます苦笑)。
まぁ無事に日本へ帰国できて良かったです。